家の快適さは、“空気”で決まる

住宅
施主力 勉強中の"タクヤ"です。
マイホームを建てられる方の参考に
そして自分への備忘録として残します
『強・用・美』
強がなければ、用は果たさない。
強と用がなければ、美は形だけのもの。
そして美がなければ、建築とは言えない
古代ローマの建築家 ウィトルウィウス

今回は住宅の《換気》のお話。

最近よく耳にする高性能住宅というと、多くの人は断熱気密を思い浮かべる方が多いと思います。(高気密高断熱)

もちろん、それは大事ですし、

実際、僕自身も家づくりを始めた頃は、耐震等級・断熱・窓性能・気密についてかなり調べました。

最近では、《耐震・断熱・気密》

「三種の神器」のように重視する建築家も増えてきみたいです。

でも、実際に住み始めて気づいたのは、

人が毎日触れているのは、“空気”だということ。

空気とは、温度だけじゃなく、

湿度。
匂い。
空気の滞留。
冷暖房のムラ。
音。

花粉、pm2.5、ウイルス。

カビ、ホコリ、揮発する壁紙の接着剤(ホルムアルデヒド)。

家の快適さは、空気環境で決まるのかもしれない。

高性能住宅は、「換気」で完成する

高性能住宅では、断熱と同じくらい「気密」が重要になる。

どれだけ高性能な断熱材を入れても、家に隙間が多ければ空気も熱も漏れていく。

高性能住宅は よく“魔法瓶”に例えられるけど、断熱だけでは蓋のない魔法瓶みたいなもの。

気密がしっかり取れているからこそ、計画された換気が成立する。

換気の種類

第一種換気
給気排気も機械で制御する方式。
熱交換や同時給排気によって快適性が高い反面、ダクトやフィルターなどメンテナンス項目も増える。

第二種換気
給気のみを機械で行い、排気は自然に逃がす方式。
室内をわずかに正圧(外より空気圧が高い状態)にすることで、外部からの汚れた空気やホコリの侵入を抑えやすい反面、壁内結露のリスク管理が難しい。(手術室やクリ-ンル-ムなど特殊用途)

第三種換気
排気のみ機械で行うシンプルな構造。
その代わり、家そのものの気密や空気の流れを、かなり丁寧に設計する必要がある。

どれが正解というより、その家が何を優先したかが出る部分。

換気は、単なる設備選びではなく、

その家が、“空気”をどう考えているか。

設備を増やすほど、快適になるのか?

空気を制御する設備といえば

サーキュレーター。
加湿器。
除湿器。
ダクト。
フィルター。

高性能住宅と言うワードに疑問をもつ。それは住宅ではなく設備なのでは?

そして機械なら必ず、メンテナンスを必要とする。

そして人は、見えない場所ほど、少しずつ見て見ぬ振りを始める。

特に見えなくなるのがダクト。

壁の中で見えないダクトを、僕自身だったら30年も掃除し続けられないだろう。

だからこそ僕は、最初から“見えない管理項目”を減らしたかった。

マンション時代の「無意識の実験」

我が家は第一種換気でダクトレス式のヴェントサン(メーカー)が標準仕様。

注文住宅を購入する前は熱橋なんて言葉も知らなかったし、温湿度計すら置いていなかった。

冷暖房をつけたら窓が結露する。
除湿をつければ何とかなる。

その程度の認識でした。

今振り返ると、マンション時代の生活そのものが、無意識の実験になっていた。

窓のない風呂。
窓のないトイレ。
ほとんど使わないバルコニー。(ドラム式洗濯機で乾燥までする為)

それでも、特別不快ではなかった。

つまり身体は既に、
「窓が多い=快適」
ではないと知っていたのかもしれない。

グレーチングが、空気を繋いだ

実際のグレーチング(吹き抜け床)と階段

そして打ち合わせの中で、“グレーチング(吹き抜け床)”という提案がされた。

吹き抜けは、空気の流れを作る上では非常に合理的。

ただ一方で、構造的に弱くなったり、生活スペースが減ったりもする。

そこで我が家では、床として使えるグレーチングを採用した。

生活空間を確保しながら、上下階の空気を繋ぐ。

さらに階段上部の空間も、換気の動線として利用している。

空気を設計すると、家は静かになる

結果として、我が家はかなり“引き算”の家になった。

ヴェントサンの第一種のダクトレス換気
グレーチング。
窓の削減。
ベランダ排除。

冬は1階の6畳用エアコン。
夏は2階の8畳用エアコン。

しかもサーキュレーターなし。

それでも、年間平均23℃・湿度50%前後で、冬でも素足で過ごせている。

換気というと、単に空気を入れ替える設備の話に見えるが、実際には、

冷暖房の均一化。
料理の匂い。
湿度。
空気の淀み。
部屋ごとの温度ムラ。

そういった“空気環境”全体の設計に近い。

空気は、思っている以上に偏る。

給気した空気が、そのまま近くの排気へ抜けてしまう(ショ-トサ-キットの)場所もあれば、角や階段下のように空気が滞留する場所もある。

だから換気は、換気扇単体では決まらない。

エアコンの位置。
ヴェントサンの配置。
レンジフード。(内気循環型)
トイレや浴室の排気。
玄関や脱衣所の位置。

それら全てが繋がって、初めて“空気の流れ”になる。

家に使われないために

もちろん、初期投資は決して安くなかったです。

でも逆に言えば、目に見える初期費用を削った結果、将来のエアコン更新費やメンテナンス費用という、“見えない維持費を払い続ける家にもしたくなかった。

我が家の換気メンテナンスは、半年に一回、ヴェントサンのフィルターを軽く掃除する程度。

その代わりに手に入ったのは、余暇時間と家族との時間でした。

高性能住宅とは、設備を増やすことではなく。

空気と暮らしを、どこまで自然に整えられるか。

その積み重ねが、“快適さ”になるのかもしれません。

以上参考になりましたら幸いです。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

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