施主力 勉強中の"タクヤ"です。
今後マイホームを建てられる方の参考に
そして自分への備忘録として
残していきます。
『強・用・美』古代ローマの建築家 ウィトルウィウス
強がなければ、用は果たさない。
強と用がなければ、美は形だけのもの。
そして美がなければ建築とは言えない。
『強・用・美』
家づくりで外壁を「サイディングにしようかな」と考える人は多いと思います。
価格やデザインの選びやすさから、日本の住宅では主流の外壁材です。
でも実は、サイディングを使うなら「通気層」がとても重要。
この仕組みを知らずに建ててしまうと、後からトラブルになるケースも。
今回は、通気層の役割と必要性について、初めて家を建てる人にもわかりやすく解説します。
目次
サイディングってどんな外壁材?


サイディングとは、
住宅の外壁に使われる板状の建材。
セメントと繊維で作られた
「窯業(ようぎょう)系サイディング」が特に多く使われています。
・デザインが豊富
・工期が短い
・コストパフォーマンスが良い
といった理由で、現在の新築戸建ての8割以上がサイディングと言われています。
ただし、雨には強いけど湿気には弱いという弱点があります。
通気層って何?

通気層とは、外壁材(サイディング)とその内側の防水シートとの間に設ける空気の通り道のこと。
おおよそ15~20mmの空間をとり、下から上へ空気が流れるように設計されます。
この空気の流れが、家の内部の湿気を外に逃がす働きを持っています。
なぜ通気層が必要なの?
壁内結露を防ぐため
室内の湿気が壁の中に入り込むことがあります。
通気層がないと湿気がたまって結露が発生し、断熱材や柱が濡れてカビや腐食の原因に。

雨水や湿気を乾かすため
サイディングの隙間や釘穴から雨水が入ってしまうことがあります。
通気層があれば、風の流れで湿気を逃がし、内部を乾燥状態に保つことができます。
外壁の劣化を防ぐため
湿気がこもると、サイディングが反ったりひび割れたりすることも。
通気層があれば裏面が乾きやすくなり、外壁の寿命を延ばすことができます。
夏場の遮熱効果
空気の層があることで、外の熱気が室内に伝わりにくくなります。
通気層は、省エネや快適性の面でも効果があります。
通気層がない家(直貼り工法)のリスク
かつては、「直貼り工法」と呼ばれる、通気層なしでサイディングを直接貼る施工方法が一般的でした。
2000年頃まではよく採用されていましたが、現在は推奨されていません。
なぜなら、通気がないことで湿気がこもり、以下のような問題が起きやすくなるからです。
- 内部結露による断熱材の劣化
- 木材の腐食
- カビの発生
- 外壁の反りやひび割れ
10年、20年後に外壁リフォームをした時に、「中がボロボロだった…」というケースもあります。
自分の家に通気層があるか確認するには?
すでに家を建てた人なら、図面や仕様書を確認してみましょう。
「通気工法」「胴縁施工」などの記載があれば、通気層がある可能性が高いです。
これから家を建てる人は、工務店やハウスメーカーに「通気工法で施工されますか?」と確認するのがベストです。
まとめ:通気層は「見えない安心」
家は見た目も大事ですが、長持ちするかどうかは中身の設計がカギです。
サイディングを使うなら、通気層はもはや「命綱」と言ってもいいほど大切。
外からは見えない部分ですが、家の健康を守ってくれる影の立役者です。
これから家を建てる方は、通気層の有無をぜひチェックしてみてください。
補足:
ちなみに、我が家はウェルネストホームで建てており、
「ロックウール断熱+通気層なし」の特殊な構造です。
このテーマについては少し専門的になるため、別記事であらためて詳しくご紹介する予定です。
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