大人になっても知りたがり
知識を『まったり探求』している
タクヤの備忘録です。
日本人には当たり前に読める
《本気》と書いて マジ。
《夜露死苦》で、よろしく。
《煙草》たばこ《土産》みやげ
《月見》つきみ《居留守》いるす
《大人》おとな《明日》あす/あした
大人になって普通に読めてしまうけど
よくよく考えればおかしな読み方してますよね?
今回はこの特殊な読み方
“義訓” について調べてみました。
目次
1.大和言葉
日本語の起源
大和言葉(やまとことば)
(縄文時代以前 ~)
特徴:漢字が入る前からあった日本固有の言葉
見分け方:ひらがなだけで書いても意味が通じる
ポイント:「自然に生まれた日本語」で、外来語ではない
例:
山(やま)川(かわ)空(そら)
風(かぜ)心(こころ)
👉 判断基準:
漢字がなくても通じる
2.万葉仮名
日本語の音を漢字で書く
万葉仮名(まんようがな)
(奈良時代 ~)
中国から漢字が伝来(5~6世紀)。
特徴:日本語の音を表すために漢字を使う(意味は関係ない)
見分け方:カタカナ・ひらがなの元になった表記
ポイント:発音のためだけに漢字を使っている
例:
夜露死苦(よろしく)
伊呂波(いろは)
波奈(花)也麻(山)
👉 判断基準:
意味ではなく音を表している

3.熟字訓
熟語に特殊な読みをつける
熟字訓(じゅくじくん)
(平安時代 ~)
特徴:
「熟語全体」に特別な訓読みをつける(個々の漢字の読み方とは異なる)
見分け方:
2文字以上の漢字が1つの単語になっていて、通常の訓読と違う
ポイント:
熟語として特別な読み方をしているか?
例:
昨日(きのう)明日(あした)
世間(よのなか)
大人(おとな)海原(うなばら)
👉 判断基準:
2文字以上の熟語が、通常の訓読とは違う読み方をしている
熟字訓を使用した技名
黒閃(こくせん)、
三千世界(さんぜんせかい)、
雷鳴八卦(らいめいはっけ)
天鎖斬月(てんさざんげつ)
天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)
千鳥(ちどり)

物流の管理者が訓読みを発展させた。
部領使ひ(ことりづかい/ぶりょうし)
古代日本において、人員や物資を引率して送り届けるための使者である。
兵士・防人・衛士・鷹・米・贄・経典などをおくり届けた。
平安時代の「和化漢文」
【部領使ひ】と言う役職は物資の管理や分配だけでなく、漢字や中国語の文法を日本語に合う形で使えるよう工夫しました。
たとえば、中国から入ってきた漢字を使って日本語を表現する「訓読み」の仕組みを作ったのも部領使ひの役割のひとつです。
また、測量や建築、羅針盤などの知識を伝え、中国文化を日本風にアレンジする重要な役割を果たしました。
部領使ひ(ことりづかい = 言葉使い)
事(こと)執り
返り点や送り仮名のような工夫もそのひとつです。
中国語の文をそのまま読むのではなく、日本語らしい語順や文法に変換する作業が、日本語文化の独自性を高めた。
訓読法が確立(漢文のルールの様なもの
[レ点(返り点)・送り仮名・ヲコト点が使われ始める)
例:「行不由径」
径(こみち)に由(よ)らず行(ゆ)く)
→「小道を通らずにまっすぐ行く」
音読み = 中国語に近い読み方
訓読み = 日本に元よりあった言葉
4.義訓
意味から特定の読みをつける
義訓(ぎくん)
(鎌倉・室町時代 ~)
特徴:漢字の「意味」をもとに日本独自の読みをつけたもの
見分け方:単なる訓読ではなく、日本語の語彙として意味が変化している
ポイント:「漢字の意味から特定の読みを当てているか?」
例:
貴方(あなた)仲人(なこうど)
師走(しわす)心太(ところてん)
本気(まじ) 現在(いま)
田舎(いなか)立派(りっぱ)
👉 判断基準:
漢字の意味から、日本独自の特別な読み方をつけているか?
5.当て字
音をもとに漢字を当てる
当て字(あてじ)
(江戸時代 ~ 現代)
特徴:漢字の意味ではなく、「音」を優先して文字を当てる
見分け方:「外来語」や「音の響き」を優先して漢字を当てているか?
ポイント:「音を表すために無理やり漢字を当てているか?」
例:
珈琲(コーヒー)
亜米利加(アメリカ)
印度(インド)
天使(エンジェル)
煙草(たばこ)
漫画/アニメでの当て字
禁書目録(いんでっくす)
星雲鎖(ねびゅらちぇーん)
絶対時間(えんぺらーたいむ)
ゴムゴムの火拳銃(れっどほーく)
👉 判断基準:
音に合わせて無理やり漢字を当てているか?
キラキラネームは 当て字?

七音 (ドレミ) 小宇宙(コスモ)
男(アダム) 愛羅(ティアラ)
一心(ピュア)
見分け方
- 大和言葉 → 漢字なしでも通じる
- 万葉仮名 → 意味ではなく音を表している。
- 熟字訓 → 熟語単位で特別な読みをする。
- 義訓 → 漢字の意味から特定の読みを当てている
- 当て字 → 発音を重視して漢字を当てている
漢文訓読とルビ(ふりがな)
漢文訓読
中国の漢文を日本語の語順で読めるようにする技法や読み方のこと。
日本語と中国語は文法や語順が違うから、漢文を日本語の語順に変えるルールが必要になった。
ルビ(ふりがな)
漢字の読みを補助するために、小さな文字(主にひらがなやカタカナ)を振る表記方法。
ルビが発展した主な理由
- 漢文訓読の補助(返り点・送り仮名と併用)
- 難読漢字の読み方を示すため
- 例:「膃肭臍(おっとせい)」や「海月(くらげ)」など、一般に読みにくい漢字の補助
- 和語と漢語の共存のため
- 日本語には、大和言葉・漢語・外来語が混ざっている
- 同じ漢字でも複数の読み方があり、どの読みを使うか示すためにルビが使われた
- 例:「明日(あした/みょうにち)」「現在(いま/げんざい)」
- 近代以降の印刷技術の発展
- 明治時代、新聞・雑誌・教科書などの普及に伴い、一般向けにルビを振る文化が広がる
- 子ども向けの教材にもルビが活用され、教育用ツールとして定着
まとめ
ルビが発展した理由は、主に
「漢文訓読の補助」
「難読漢字の読みを示す」
「和語と漢語の区別」
「近代の印刷文化の影響」。
この文化は、和歌や文学、さらには現代のライトノベル文化に至るまで、日本語の表現を豊かにしています。
たとえば、「本気と書いてマジ」といった表現も、漢字を特定の意味やニュアンスに変換する訓読(くんどく)の応用と言えます。
漢字にルビを付けて独自の読み方を示す手法は、訓読みの発展が基盤にあります。
総括(まとめ)
漢字の伝来は日本語表記の可能性を広げ、大和言葉との融合を通じて万葉仮名や訓読みを生み出しました。
部領使ひ(言葉使い)の技術がその体系化を支え、漢字が日本語の一部として深く根付くこととなります。
こうして形成された日本の漢字文化は、古典文学から現代のエンターテインメントに至るまで幅広い分野で活用されています。
漢字と日本語の関係を探ることで、日本語の豊かさや文化的な独自性に改めて気づくことができます。
以上参考になりましたら幸いです。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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