なんとなく「効く気がする」けど、実際はよくわからない。 ツボとか漢方薬とか聞いたことはあるけど、「なぜ効くのか?」と聞かれると、言葉に詰まってしまう。
この記事では、そんな東洋医学の“効く理由”を、ツボ・鍼灸・漢方薬・薬膳といった具体的な要素を通して、できるだけわかりやすく、身近な視点で解説していきます。
目次
そもそも東洋医学って?
東洋医学とは、主に中国を起源とする伝統的な医療体系のこと。 数千年にわたって培われてきた知識と経験をもとに、「人間全体を見る」考え方が特徴です。
体を細かい部品の集合として見るのではなく、「気」「血」「水」といったエネルギーや循環のバランスを見るスタイル。 現代でいうと、内臓・神経・精神の関係性まで含めた“ホリスティック”な考え方に近いですね。
ちなみに、東洋医学(中国伝統医学)は、インドのアーユルヴェーダやイスラム圏のユナニ医学と並び、世界三大伝統医学のひとつとも言われています。
ツボと経絡のしくみ──全身に361個もある?

東洋医学でよく聞く「ツボ」は、正式には「経穴(けいけつ)」と呼ばれます。 このツボは全身に361カ所もあるとされていて、気や血の流れを調整するポイントなんです。
ツボ同士を結ぶラインのようなものが「経絡(けいらく)」。 この経絡は、東洋医学における“体内の高速道路”みたいなもので、ここを通じて気が流れます。
たとえば、胃の不調でも「足のツボ」を刺激することで整えるという発想もこの考え方からきています。
西洋医学的には、ツボ刺激によって神経系や血流、自律神経が整うと説明されることもあります。
鍼灸はなぜ効く?

鍼灸(しんきゅう)は、ツボに対して鍼(はり)やお灸(きゅう)で刺激を与える療法です。 これは、体のバランスを整えたり、気の流れをスムーズにしたりするための手段です。
痛そうに見えて、実際は髪の毛より細い鍼を使うので「思ったより痛くない」という人が多いです。
現代医学的には、鍼灸によってエンドルフィン(天然の鎮痛物質)が分泌されたり、血行が良くなったり、自律神経のバランスが整ったりすることで、さまざまな効果があると考えられています。
肩こり、腰痛、頭痛、不眠、生理痛、冷え性……など、実際に受けてみて「効いた!」という声も多いですね。
漢方薬って結局なに?

漢方薬とは、自然の植物や鉱物を組み合わせて作られた薬です。 西洋薬が“症状を抑える”ことを目的にするのに対し、漢方薬は“体質そのものを整える”のが特徴です。
たとえば風邪薬ひとつとっても、「熱っぽいタイプ」と「寒気がするタイプ」では処方が違います。
また、人によって合う漢方薬が変わるのもポイント。 東洋医学では、体質を「気虚」「血虚」「陰虚」「瘀血」などに分類して、それに合った漢方を処方します。
食べる東洋医学──薬膳という選択肢

漢方薬が“処方薬”なら、薬膳は“日常ごはん”。
薬膳とは、体質や季節に合わせて食材を選び、日々の食事で体調を整えるという考え方です。 たとえば、冷え性の人には羊肉や生姜、むくみやすい人には黒豆やハトムギなど。
薬膳は「未病(まだ病気にはなっていないけど、なんとなく調子が悪い)」を整えるための手段でもあります。
普段のごはんをちょっと意識するだけで、「なんか最近体がラク」って実感が出てくるかもしれません。
東洋医学と世界の呼吸法

東洋医学では、気を整える手段として「呼吸」も重要視されてきました。
実は、インドのアーユルヴェーダには「プラーナーヤーマ」と呼ばれる呼吸法があり、これは“生命エネルギー(プラーナ)”をコントロールする技術です。
東洋医学と同様に、「呼吸が整えば、心と体も整う」という考え。 自律神経を整える方法として、呼吸に注目するのは現代科学でも注目されています。
【まとめ】
東洋医学の考え方は、ちょっと不思議に思えるかもしれません。
でも、身体を部分ではなく「全体」としてとらえる視点、日常の中で体調を整えていくという発想は、現代人にこそ必要な知恵とも言えます。
ツボ、鍼灸、漢方、薬膳、呼吸法──どれも特別なものではなく、取り入れ方次第で日々の暮らしをラクに、豊かにしてくれる選択肢。
「なんとなく調子が悪い」を放置せず、自分の体と向き合うヒントとして、東洋医学はとても頼もしい味方です。
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