施主力 勉強中の"タクヤ"です。
今後 マイホームを建てられる方の参考に
そして自分への備忘録として残します。
『強・用・美』
強がなければ、用は果たさない。
強と用がなければ、 美は形だけのもの
そして美がなければ、建築とは言えない
古代 ローマの建築家 ウィトルウィウス
目次
はじめに──高性能住宅=快適とは限らない

僕の考えとして家を建てる時にだいたい4パターンに思考パターンがあると思ってます。
オシャレな家、立地のいい家、高性能な家、そしてその全てのハイブリッド。
そして高性能住宅の沼に入る方が必ず覚えていなくてはならない数値があります。
《C値、Ua値、Q値》
・C値 家の隙間面積(気密性)
・Ua値 窓や壁から熱がどれだけ逃げるのか(断熱)
・Q値 保温力(暖房効率)
そして「その数字が低い=快適な家」って、思い込むんです。
本当の快適さを決めるのは、もっと“地味”で“見えにくい”とこでした。 その一つが熱橋(ヒートブリッジ)。
「熱橋(ヒートブリッジ)」って何?

熱橋とは、熱が集中して通り抜けてしまう“すき間”や“弱点”のこと。
- 断熱材の切れ目
- バルコニーの金物や構造体の繋ぎ目
- 窓まわりや柱の接合部
どれだけC値(隙間の少なさ)やUa値(断熱性能)が良くても、 この“熱の通り道”があるだけで、体感温度がガクッと変わる。
実際、気密も断熱も頑張ってるのに「なんか寒い…」「なんか暑い…」って人、いると思います。
我が家がやった「熱橋の防止策」
🟥 バルコニーは付けない
- 干さない(ドラム式洗濯乾燥機)
- メンテも不要
- そして何より、熱橋を生まない
使わない空間にお金と熱を奪われたくなかった
🟩 窓を最小限にしてトリプルガラス
- 全部で10枚のみ。
- ウェルネストホームのオリジナル窓(樹脂サッシ+トリプルガラス)
- 熱貫流率:0.78W/㎡・K
- 結露ゼロ。
採光は足りてる。開ける必要がないから、ほぼ開けない。
🟦 外からの熱は“ひさし”でカット
- アウターシェードを設置
- 夏は日射を遮り、冬は日光を取り込む設計(日射遮蔽、日照取得)
窓の内側ではなく、外で止めるのが肝。
🟨 断熱材で包み込む設計
- 屋根:セルロースファイバー300mm
- 外壁:ロックウール205mm(充填+外張り)
- 床:フェノールフォーム+ポリスチレンフォーム計125mm
- 通気層なし(ロックウールだから不要)
“断熱材が切れへん構造”=熱橋ゼロ
我が家の性能値(数値で見る安心感)
- Q値(熱損失係数):1.05 W/㎡・K
- Ua値(外皮平均熱貫流率):0.25 W/㎡・K
- C値(相当隙間面積):0.2169 cm²/㎡(竣工時に実測)
- ηAC値(冷房期日射熱取得率):0.66(低い方がいい)
- ηAH値(暖房期日射熱取得率):0.92(高い方がいい)
🛠 施工:ウェルネストホーム
🏠 地域:6地域(大阪)
数値は「スペック」じゃなく「快適さを支える裏方」だと思ってる。
冷暖房も“ほぼいらない”レベル
- 2階:8畳用エアコン1台(夏のみ)
- 1階:6畳用エアコン1台(冬のみ)
エアコンの存在を忘れるくらい静かで、空気が穏やか。 動いてるはずなのに「音も風も感じにくい」
「見えない快適」を選んだ結果
我が家は豪華さやデザインじゃなくて、何がストレスにならないか”を評価して考えてました。
- 結露ゼロ
- 温度差ほぼゼロ
- 洗濯も干さない、掃除もラク
- 夏でも2階がムワッとしない
“快適は、静かに満たされること”。 その鍵が「熱橋を生まない設計」。
最後に──家をつくるなら「熱の通り道」を潰せ
断熱材の厚さ、サッシの性能、気密テープの精度……。 どれも大事だけど、「熱がどこから入ってくるか」を意識してないと台無しになる。
僕は数字も もちろん、“体感”と“合理性”で家づくりを考えてました。 その結果、「静かにちょうどいい」毎日が続いてます。
高性能住宅を本当に活かすのだったら、熱橋に気づくこと。なのかもしれない。
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